ハーバード大学の経営学の教授ががメキシコの小さな村を訪れた時の話。
彼らの暮らしを見て、地元の漁師に「魚を捕まえるのにどれくらい時間がかかるのですか?」と尋ねました。漁師たちは「そんなに時間はかからないよ」と答え、必要な量だけを獲っていると説明しました。旅行者は「もっと長時間漁をして、余った魚を売ればいいのに」と提案します。すると、漁師たちは「家族が必要とするだけの魚があれば十分だ」と答えます。

しかし大学教授は、もっと魚を捕って売れば、より大きな漁船を買うことができ、事業を拡大できると言います。さらに、その後は漁船団を持ち、仲介業者を通さずに直接取引するようになり、最終的には工場を設立して、巨大な事業を展開できるとも提案します。「そうすれば多大な利益を得て、最終的には引退してゆっくりとした生活を送れるだろう」と話します。

これを聞いた漁師たちは「それにはどれくらいの時間がかかるのですか?」と尋ねます。旅行者は「10年から15年くらいだろう」と答えます。漁師たちはさらに「では、その後はどうなるのですか?」と聞きます。旅行者は「その後は引退して、海辺の村でのんびり暮らし、家族と過ごし、友人と楽しむことができる」と答えます。

漁師たちは笑いながら「それなら、私たちは今すでにその生活をしているよ。なぜ15年も待つ必要があるんだ?」と答えました。